反対咬合(受け口)治療について

「反対咬合」と診断されたら、早期治療をおすすめします

下の歯が上の歯より前に出ている反対咬合(受け口)は、3歳児健診で4~5%の割合で見つかります。が、「しばらく様子を見ましょう。」と言われ、放置してしまうケースがほとんどです。
しかし、反対咬合(受け口)が自然に治る確率は低く、治療が必要です。
反対咬合(受け口)と診断されたら、すぐに治療を始めましょう。
当院では、ムーシールドという機能性顎矯正装置を使用して、3歳児から始められる治療を行います。

ムーシールド
ムーシールド
成分 ポリメタクリル酸メチル(PMMA)
効能 反対咬合治療を目的とした歯列矯正材料。
本品を装着することによって顎が正常に成長するように促すものです。
適応 乳歯列期(3歳~4歳位)の反対咬合に使用します。
永久歯萌出期以降の患者さまには、サイズにあったムーシールドを作成します。
使用方法 上顎歯列、舌下帯などの適合をチェックし、不適合部の調整を行います。
就寝中に装着し、約1年間継続して使用します。

上口唇圧を排除し、上口唇のバランスを整えます。
低位舌を改善し、高位で機能させ、逆被蓋の改善を促します。

ムーシールド
早期治療のガイドライン
反対咬合治療Q&A
反対咬合って、自然に治るでしょう?
永久歯が生える時、自然に治ることがあります。ただし、かなり少数例です。
  • 反対になっている下の前歯が、5~6本
  • 逆の噛み合わせが深い
  • 近親に反対咬合の人がいる
これらの場合、自然に治る可能性は、極めて少ないと考えて良いでしょう。
どうして反対咬合になるの?
口には、多くの筋肉が整然と並び、機能しています。
舌は、代表的な筋肉の固まりです。きれいな歯並び人の舌は、嚥下(のみ込む)する時、上顎を押さえつける様に、ぴったりと収まります。しかし、反対咬合の入は上顎には着きません。嚥下(のみ込む)の都度、舌は下顎を前方に押します。従って、上顎は小さく、下顎は大きくなってしまうと考えられています。
すなわち、□腔周囲の筋肉が正しく機能しないと、不正咬合になるという事です。
永久歯がはえるまで、様子見を勧められましたけど?
「…大丈夫ですか?」というご質間を、よく戴きます。
目然に治る場合もあります。しかし、それはかなり少数です。ご相談でぎる歯医者に診て貰い、セカンドオピニオン(意見)を求める事をお勧めします。
私たちは、大半の方に早期初期治療が必要と考えています。
どうやって治すの?
筋機能のアンバランスが不正咬合を造ります。バランスを整え、調和を取り戻せば、不正口交含は回復します。
反対咬合の原因の一つは、舌が低い位置で機能していることです。ですから、治療目標は、まず、舌を挙上して上げることです。その様に、バランスを取り戻す器具が、機能的顎矯正装置、ムーシールドです。
就寝中使用します。取り外し出来る装置ですから、上手く使えなかったり、諸条件によっては、期待する効果を得られないこともあります。主治医に充分相談の上ムーシールドを使うことをお勧めします。
反対咬合、治した方が良いの?
不正咬合であるから、成長発育が遅れるという事は基本的にありません。しかし、
  • サ行、タ行の発昔に特徴的な舌足らずのしゃべり方になる
  • 食べ方がワニの様だ
という様な特徴が現れることがあります。
しゃべり方にも、食べ方にも問題が現れます。
しかし、私たちが、治療を勧める第一の理由は、審美的な理由です。反対咬含特有の顔貌に、劣等感を感じることがあります。心の負担を軽くし、生活の質の向上が目標です。
一度治したら、もう大丈夫?
ムーシールド治療法は大抵の場合、およそ1年間を目標に治療します。
一度治したら、「もう大丈夫」という人が、大半です。しかし、成長がスパートする頃、再治療を必要とする場合があります。定期健診は重要です。
女子は15~16歳。男子は17~18歳まで成長します。
その頃まで、定期健診を続けることが理想です。
早く治した方が良いの?
噛み合わせを逆のままにしておくと、下顎骨が過成長し易い状態が続きます。
下顎骨が取り返しの付かない程大きくなってしまう前に、逆の噛み合わせは治しておくべぎです。早ければ早い程、ご本人の負担は軽くて済むと思います。年齢が高くなると、治療法の選択肢が狭くなります。過成長し、大きくなってしまった「下顎骨を切断して縮める」という手術法も、選択肢に上がってきます。
手術の際には入院が必要ですか?
ごく限られた特別な場合以外は入院の必要はありません。しかし、普通の手術でも手術後2~3週間は安静にしてください。
反対咬合は遺伝する?
反対咬合は遺伝します。顔形はご両親に似ます。残念ながら、反対咬合の家系があります。しかし、早めに対処することで、かなり改善できると考えています。
いずれにせよ、遺伝のある無しに関わらず早めに受診することをお勧めします。